伝統の酒槽しぼりで有名な刈穂酒造
~「和」の精神で想いを届ける酒造り~

刈穂酒造

口上人本舗キャラバン隊は秋田県大仙市にある刈穂酒造におじゃましました。
刈穂酒造は奥羽山脈から流れる雄物川のほとりにあり、周辺は肥沃な穀倉地帯で冬期間は雪が多く酒造りには最適な地域となっています。

今回、口上人本舗キャラバン隊に蔵紹介をしてくださったのは、斎藤大杜氏さんです。

刈穂酒造には蔵は4つあり、嘉永3年(1850年)に建てられたものです。なんとペリー来航の3年前なのだそうです。この地域では一番歴史の古い蔵で、北前船の貨物集積庫として使われてました。大正2年、近隣の地主が出資して神宮寺酒造として酒造りが始まり刈穂酒造の前身となったそうです。

敷地左側の蔵の横には大きな桜と松の木が並んでいることから、「桜松蔵(おうしょうぐら)」と呼ばれています。春には桜が見事に咲くのでたくさんの方が写真に納めようと訪れるのだそうです。
そして蔵の前にある井戸は、マグネシウムやカルシウムのミネラル分が多い中硬水が一年中豊富に湧き出ていています。地元の方も汲みにいらっしゃるそうです。そしていつの間にか綺麗にお掃除もしてくださっていて、夏にはスイカが冷やしてあったり…。

なんと中硬水を使った酒造りは秋田県内では、刈穂だけなのだそうです。私たちも井戸から飲ませていただきました。
しっかりした喉越しが感じられます。

刈穂の美味しさの香味あざやかなキレのある味わいの秘密は、この中硬水を使っているからなのですね。

斎藤大杜氏が入社した昭和46年は、蔵は女人禁制だったそうですが、現在は女性の杜氏さんもいらして繊細な感覚と伝統の融合を合わせ持つ新しい酒造りもされています。
仕込み蔵は4つありますが、メインの仕込み蔵は「滄溟海(そうめいかい)」といいます。青々とした大海原の意味があります。
火ぶせと言って火災から蔵を守るという意味から、滄溟海の漢字は、全部 氵「さんずい」になっているそうです。
嘉永3年に蔵建設の記述が残されているものとして、魔除けの意味がある弓矢の形をした棟札(むねふだ)が見つかりました。仕込みタンクのある天井の棟木の陰から見つかったそうです。

酒造りは、「一、麹 」「二、酛」「 三、造り」と言われ、一は麹(こうじ)屋さん 二は酛(もと)屋さん(酒母)三は醪(もろみ)屋さんのことでそれぞれの工程で分かれています。
「一、麹 」麹(こうじ)屋さん
今回お邪魔した時は、麹のお部屋はオゾン清掃中!
残念ながら中を見ることはできませんでしたが、麹の用途によって温度管理や水分管理ができるお部屋でじっくりと大事な麹は作られています。     
ここで大事なのは外硬内軟という作り方なのでそうです。ある程度水を吸わせたものを麹室に入れて乾かすと外側が乾燥します。 
しかし、麹の内側には水分があるので麹菌が中に入りやすいので力強い麹になるのだそうです。

「二、酛」酛(もと)屋さん・酒母屋さん

お酒造りには、米、米麹、酵母だけを混ぜても発酵できず、雑菌が入って腐敗してしまう可能性もあります。
酵母を純粋培養して作り出すのが酒母と言われ、文字通りお酒の母なのだそうです。その酒母作りには速醸と山廃、生酛があります。
速醸は市販の乳酸を入れて、雑菌のみを死滅させる方法で15日ほどでお酒ができます。
生酛は、昔ながらの製造方法です。半切り桶に蒸し米と仕込み水を入れ、酛摺り(もとすり)と言って丹念にすり潰します。この作業を山卸と言います。しかしこの作業がとても重労働でこれを廃止したのが山廃になります。
生酛も山卸にも市販の乳酸を使わず、乳酸菌が作った天然の乳酸を活用して酒母を作るのです。しかしその過程では雑菌に汚染される可能性があるので酛屋さんは温度管理、衛生管理には目を配る必要があります。酒母づくりはミクロの世界で激しい微生物の攻防が繰り広げられているそうです。酒母は厳しい自然環境を生き抜いた力強い酵母ということなのだそうです。
現在は冷蔵庫でしっかり管理されていますが、やはりここは目に見えない神様の領域ということで、刈穂の酒母室にはしめ縄をはって願掛けをしているそうです。

槽場(ふなば)搾り

刈穂には6基の酒槽(さかふね)があります。
刈穂の「六舟」という銘柄のお酒はこの6基の酒槽に由来しています。元は六槽でしたが字画の関係で「六舟」になったそうです。命名は作家の水上勉氏によるもので、壁には自筆の書が飾られていました。ラベルデザインにも使われていますね。
槽搾りは1日目に水槽(みずぶね)という槽で搾ります。1.5〜2ℓの醪を酒袋に入れて200枚ほど横にしながら重ねて、上から圧力をかけていきます。2日目は押し槽といって責めの槽に移し替えます。3日目に上げて残った搾ったあとの酒粕をはがします。ゆるく圧力をかけて搾るので手間ひまかかる搾り方なのだそうです。
この槽は奥の方が浅くて前側が深くなっていて傾斜がついているそうです。搾ったお酒が流れ出やすくなるようにするためなのです。ですから酒袋を平になるように厚さを均等に重ねて積んでいきますが、船頭さんと呼ばれる頭と船員とのチームワークが絶対に必要になるそうです。まさにこの蔵「滄溟海」に浮かぶ槽(ふね)なのですね。

相場詩織、「超辛口」を初体験!蔵元の刈穂への想い

蔵元 刈穂酒造株式会社
代表 伊藤 辰郎
創業 創業年:1913年
所在地

〒019-1701 秋田県大仙市神宮寺字神宮寺275
TEL・FAX:0187-72-2311

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